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小さな宿の生きる道

2009 年 9 月 2 日 水曜日

2009年の日本の夏、景気は相変わらずどん底の状態が続いている。

円高の状態で、昨年の今頃と比べて燃油サーチャージがないにも関わらず、8月の海外旅行客数も落ち込んだ。

国内旅行に関しても「安・近・短」の旅行にシフトしている。

そんな世の中でも、「旅行」は日常に潤いを与えてくれる。

日頃の忙しく働いている人にとって、自分にご褒美という点では、「旅行」は欠かせない行事だと思う。

そして、このような不況の世の中だからこそ、間違いの無い宿に泊まりたい。絶対に後悔しない宿を選びたいものだ。

貸切温泉どっとこむ」には、現在300軒近い宿が掲載されているが、部屋数20室以下の宿が7割もある。もともと個人旅行向けのサイトだから、当然といえば当然だが、それにはもうひとつの理由がある。

それは小規模旅館の特徴と言えるものなのだが、オーナーの主張、個性が前面に出ていることが多いという点だ。

しかも、個人的に好きなのは、コンサルタントや設計士に任せるのではなく、オーナー自身で宿のキャラクターを作り上げていくところだろう。

その個性の主張は、お客に敏感に伝わり、やがてはリピーター客になっていく。

さらに現代は、インターネットにより、お客自身による宿探しが容易になった。自分自身の”趣味”が合う宿を探しやすくなったのだ。

例えば、オーディオが趣味のオーナー、釣りが趣味のオーナー、お酒が趣味のオーナー・・・など、その宿のオーナーの趣味が分かれば、その宿に行くこと自体が楽しみになっていく。その宿のオーナーと意気投合して話がはずむ可能性もある。

小さな宿の生きる道はここにある。

システマチックにサービスを用意し、思い切った低価格路線を打ち出している一部の大型旅館のように、宿泊料金やお得な宿泊プランなどではなく、”個性”で勝負すべきだと思うのだ。

この不景気の世だからこそ、なおさら思う。

万人に受ける宿ではなく、コンセプトがはっきりしていて、個性が分かる宿は、景気に左右されない。

常日頃、全国くまなく取材旅行をしていると、チェックインの時間帯に、ロビーでお客とオーナーとの再会を喜ぶシーンを何度か目にする。

お客はオーナーに手土産を持参し、お互いの健康に感謝するのだ。

そんな自分に合う宿を見つけたお客は幸せだ。そして宿側も、こんな嬉しいことはない。

お気に入りの宿を持っている人には、別荘はいらない。

その宿には、スタッフの手によりいつでも灯りがともり、人のぬくもりがいっぱい溢れているからだ。