‘宿紹介’ カテゴリーのアーカイブ

日本の中の「海外旅行」

2010 年 7 月 31 日 土曜日

もう今日で7月も終わり。学生さんたちは「夏休み」の真っ最中だ。
テレビでも成田から海外に飛び出す旅行者のインタビューを流していた。
景気も少し上向きなのか、昨年と比べても海外旅行、国内旅行ともども増加傾向だという。
円高のこの時期、ヨーロッパやハワイが人気らしいが、お金はあるけど日程的にも余裕がない人はいるはずだ。
そこで、今回は国内にいながら「海外旅行気分」を味わえる宿を紹介しようと思う。

まずは、能登半島の突端にある「ランプの宿」。
ランプといっても、今は電気は通り、ランプはインテリアとして使われている程度。
ここのロケーションがまず「非日常」の世界。
崖下の入り江に、へばりつくように敷地ギリギリまで建てられた宿は、夜になると神秘的な情景が広がる。
離れの客室棟や、貸切露天風呂棟の下にはプールがあり、夜になるとそれをブルーにライトアップしている。オーナーいわく「ボラボラ島の水上コテージのイメージ」らしい。
ここは国立公園の中。海に直接建てられないので、その海に面しているところにプールを造ったわけだ。
しかし、こっちの海の風景は少しワイルド。日本海の荒々しい波が岩礁にうちつけられ、その波しぶきがこちらに飛び散ってくるかのような近さを感じる。
この無国籍的な風景は、訪れるゲストを驚かし、深く印象を刻むこととなる。
石川県の金沢市からでもクルマで3時間以上はかかるほどのロケーションだが、ここに辿り着いた時は一種の達成感を覚えてしまう。

ロケーションといえば、ここも非常にインパクトがある。九州・天草にある「石山離宮 五足のくつ」だ。
オーナーは世界中を旅した経験を持つ。その彼が生まれ育った天草に帰り、自ら造った宿がこれなのだ。
「天草」=「キリスト教」=「隠れキリシタン」=「殉教者」・・・と、苦く切ない歴史が残っている地でもある。そのストーリーをコンセプトに入れて、このエモーショナルなホテルを造り上げたのだ。
さらにこの小さなホテルを印象付けているのはそのロケーション。
海に面した山の斜面を削って建物を建てたので、部屋からは東シナ海を見下ろすような感じ。それはイタリア・ナポリより南へ数十キロ離れた岬の岩肌にへばりつくように建てられたホテル「イル・サンピエトロ・ディ・ポジターノ」をイメージしているという。
しかし、そのイタリアのホテルと決定的に違うのは「源泉かけ流しの客室露天風呂」が「五足のくつ」に付帯している点。

最後は、やはり九州・鹿児島の霧島温泉郷近くにある「天空の森」。
東京ドーム13個分の敷地にゲスト用の施設は5棟しかないのだ。客室に泊まると言うよりも、山をひとつ貸切するという感覚に近い。
広い芝生の中庭があり、木造のコテージが配されている。広いウッドテラスには、「源泉かけ流しの客室露天風呂」が用意されている。
ここを利用するゲストは、気候の暖かい時期は滞在中素っ裸で過ごす事が多いという。
だからこそオーナーはここを「アダムとイヴの楽園」と形容した。誰にも邪魔されず、誰にも干渉されない「極上の空間」がそこにあるのだ。
「天空の森」は上記2つと比べるとアクセスは恵まれている。
鹿児島空港からクルマで20分ほどの距離だからだ。4時間、6時間、そして10時間の日帰りステイを楽しむ東京在住のお客が多いという。なるほど仕事に忙しい人間はなかなか日本を離れられない。でも少しの時間でも有効利用して気分的にもリセットしたい・・・そんな風に使われているようだ。
ただ、ここ「天空の森」だけは、どの国のどのホテルのイメージとは例えられない。
まず、これほど経済効率の悪い宿泊施設は無いからだ。
オーナーは名宿「忘れの里 雅叙苑」で、客室露天風呂を発明し、茅葺きの古民家移築、岩をくりぬいた湯舟・・・など数々のアイディアを出し、それを様々な旅館経営者に模倣された。
「今度は誰にも真似されないものを造ろう」と考えたわけだ。

いかがだろうか。これら3ヶ所とも個性溢れる施設であることは疑う余地はないが、共通しているのは食事。「食」に関しては地元の文化・風習を大事にした「地産地消」をテーマにしている点。やはり日本人は日本の食事が一番美味しく感じるはず。あなたも海外旅行先で食事で悩まれたことはないだろうか。この3軒の施設に関してはそれは心配ないということなのだ。

ランプの宿/石川県
石山離宮 五足のくつ/熊本県
天空の森/鹿児島県 

温泉宿・日帰りステイのススメ

2010 年 3 月 31 日 水曜日

最近、世の中は「時短ブーム」らしい。
料理も、道具や工夫によって時間を節約でき、洗濯洗剤もすすぎが一回で済むものも発売されている。
ただ、旅行ぐらいは、「時短」は避けたいところだが、時間にも余裕がない、または、経済的にも余裕がない時に、オススメなのが日帰り温泉だ。
でも、単に温泉に入って、大広間で少し休憩して、帰る・・・といった、味気ない日帰り温泉は、個人的には好きではない。
できれば、日帰り専門の温泉施設ではなくて、宿泊できる温泉宿に日帰りで利用したい。

やはり、温泉宿の楽しみは色々あるが、一番長く過ごすのは「客室」。
入浴後は、ゆっくりお部屋で過ごすのが、疲れも取れるし、精神的にも落ち着く。

そして、大事なパートナーと行くなら、露天風呂付き客室がいい。
無くても、貸切露天風呂があればいい。

そして、宿泊客と同等の懐石料理もいただきたいものだ。
できれば、地元の食材を使ったものがいい。

つまり、「温泉」+「客室」+「料理」・・・の、温泉旅行の三要素を、日帰りで楽しめるというわけだ。
これは、まさに温泉旅行の「時短」企画みたいなもの。

こういった「日帰り温泉宿ステイ」ができるところが最近増えてきている。
長野県・蓼科高原の人気宿「たてしな藍」では、滞在時間も昼食付きの11:30から17:30までの6時間、昼食と夕食の2食が付いた11:30から20:30の9時間の2つから選べる。

たてしな藍 「如月」の客室露天風呂

たてしな藍 「如月」の客室露天風呂

もともと、料理が評判のこの宿では、貸切露天風呂と昼食をセットにした日帰りプランを実施していたが、グレードアップして客室も利用できるようにした。
今年になってからこの「日帰りステイ」を実施したところ、オフシーズンにも関わらず、連日盛況らしい。
これらは、平日のみの実施らしいが、たまの休みに1日数時間、温泉宿で骨休みというのもオツなもの。

私も、実際利用してみたが、最初は日帰りで温泉というのも、夜になれば帰りたくなくなってしまうかと思いきや、明日の仕事のための「時間の節約」、そして「日頃のハードワークのリセット」という意味では、非常に満足できるものだった。
やはり、客室が利用できるという事は大きい。
新しい旅館の過ごし方を発見したような気がした。

たてしな藍/長野県・蓼科温泉

混浴メガ露天の佳留萱山荘

2009 年 11 月 17 日 火曜日
日本ならではの温泉文化のひとつである”混浴”は、温泉旅館のサービスのひとつとして、現代でも生き続けている。
私も、取材の合間に混浴の露天風呂に入る機会があるが、最近若いカップルや女性グループに遭遇する場面が多くなった気がする。

その要因として、女性のバスタオル着用OKのお風呂が増えているという事があげられる。
しかし、それはやはり大きな露天風呂か、開放的な野天風呂でなければ、やはり湯舟でのバスタオル着用の違和感は否めない。

しかし、岐阜県は、奥飛騨温泉郷のひとつ、新穂高温泉の「水明館 佳留萱(かるかや)山荘」の混浴大露天風呂は、バスタオルなど気にならないほどの巨大なスケールで、温泉ファンに喜ばれている。
日帰りでの利用もOKで、女性にはバスタオルのレンタルもある。

「水明館 佳留萱山荘」の混浴大露天風呂・・・・・・・・バスタオルを巻いた女性が一人入浴しているのがお分かりだろうか?お風呂の大きさがご理解いただけるであろう。

「水明館 佳留萱山荘」の混浴大露天風呂・・・・・・・・バスタオルを巻いた女性が一人入浴しているのがお分かりだろうか?お風呂の大きさがご理解いただけるであろう。

名峰・槍ヶ岳も眺めることができるこの大露天風呂は、蒲田川沿いにあり、巨石を配した造りは、野趣あふれるものだ。
中部地方では、間違いなくナンバーワンの広さを誇る湯舟は、3つのブロックに分けられるが、いずれも自家源泉100%かけ流しというから、文句のつけようがない。

秋から冬にかけて、気温が下がる季節になれば、湯気が目隠しになり、女性でもバスタオルをはずすことが多くなるようだ。これもお風呂が大きいゆえの特長でもあるだろう。

こんな、温泉天国のような地は、日帰りではもったいない。
宿泊料金も非常にリーズナブルながら、極上の飛騨牛も堪能できるからだ。

また、個性的な貸切露天風呂を3つも備えており、こちらも是非利用していただきたい。

北アルプスを一望できるこの新穂高温泉を含む奥飛騨温泉郷は、日本屈指の源泉湧出量を誇るエリアでもある。だからこそ、この大露天風呂が誕生したとも言える。
一度に100人は余裕で入れるという巨大な湯舟を、循環をしないで源泉かけ流しでまかなえる点が、とにかく凄いことなのだと認識していただきたい。

水明館 佳留萱山荘/岐阜・新穂高温泉(奥飛騨温泉郷)