‘温泉’ カテゴリーのアーカイブ

もうひとつの「温泉」の定義

2009 年 11 月 19 日 木曜日

先に、温泉源から採取される温度(25℃以上)の条件と、19の物質のひとつでも入っていれば・・・という条件のいずれかがクリアされれば「温泉」であると述べた。「温泉法」という法律によるものである。

しかし、「温泉」と似た様な単語の「鉱泉」とは、何なのだろうか?
現在、環境省のHPに掲載されている「鉱泉分析法指針」を見ると、細部に渡って分類しているが分かる。
そこには、「鉱泉」の定義として、「地中から湧出する温水および鉱水の泉水で、多量の固形物質、またはガス状物質、もしくは特殊な物質を含むか、あるいは泉温が、源泉周囲の年間平均気温より常に著しく高いもの」と謳っている。

これだけ見れば、温泉=鉱泉となる。
しかし、「鉱泉」は、泉温によって分類している。
25℃未満の場合は、冷鉱泉。
25℃以上34℃未満は、低温泉。
34℃以上42℃未満は、温泉。
42℃以上は、高温泉となる。
「温泉法」でいう「温泉」の定義は25℃以上。
しかし、「鉱泉分析法指針」によると、34℃以上42℃未満となるから、いささかややこしくなる。

また、液性の分類というのもある。
pH(ペーハー)3未満は、酸性。
pH3以上6未満は、弱酸性。
pH6以上7.5未満は、中性。
pH7.5以上8.5未満は、弱アルカリ性。
pH8.5以上は、アルカリ性となる。

「鉱泉分析法指針」によれば、その「温泉」の中でも、もうひとつ上のグレードとも言える「療養泉」という定義が存在する。
源泉から摂取される時の温度が、25℃以上。
そして下記の物質のうち、ひとつでもクリアしていれば「療養泉」となるのだ。
溶存物質(ガス性のものを除く)・・・・・・・・総量1,000mg以上
遊離二酸化炭素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,000mg以上
銅イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1mg以上
総鉄イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20mg以上
アルミニウムイオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・100mg以上
水素イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1mg以上
総硫黄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2mg以上
ラドン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30(100億分の1キュリー単位)以上

そしてこの「療養泉」のみ、泉質名が付けられる。
物質条件は8項目あるが、これがいわゆる泉質名を決める根拠となるのだ。

また視点を変えると、「療養泉」に成りえなかった「温泉」も存在することになる。
つまり、「泉質名を持たない温泉」もあるということなのだ。
その場合、泉質名を「その他の温泉」「温泉法上の温泉」と表記するところもあるようだ。

このように、「温泉法」と、環境省による「鉱泉分析法指針」という、2つの”法則”があるため、非常に分かりにくいところがあるのは否めない。
また、「温泉法」は、非常に”ユルイ”規定となったため、ほとんど真水と変わらない「温泉」が、数多く日本に登場することになった。
日本全国、どこでも旅行と言えば「温泉」を求める日本人という国民性が、この法律を誕生させたのだと、容易に想像できるのだ。

温泉とは?

2009 年 11 月 18 日 水曜日

1948年(昭和23年)に”温泉法”が制定された。
その中で「温泉とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、別表に掲げる温度又は物質を有するもの」と定められた。
その”別表”には、「温泉」の条件は、温度(温泉源から採取された時の温度)が25℃以上。
そして、もうひとつの物質の条件で、以下に掲げるもののうち、いずれか一つが入っていれば「温泉」となる。
溶存物質(ガス性のものを除く)・・・・・・・・・・・・・総量1000mg以上
遊離炭酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・250mg以上
リチウムイオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1mg以上
ストロンチウムイオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10mg以上
バリウムイオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5mg以上
フェロ又はフェリイオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10mg以上
第一マンガンイオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10mg以上
水素イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1mg以上
臭素イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5mg以上
沃素イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1mg以上
ふっ素イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2mg以上
ヒドロひ酸イオン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.3mg以上
メタ亜ひ酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1mg以上
総硫黄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1mg以上
メタほう酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5mg以上
メタけい酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50mg以上
重炭酸そうだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・340mg以上
ラドン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20(百億分の1キュリー単位)以上
ラジウム塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1億分の1mg以上

つまり、温度が25℃以上であれば文句なく「温泉」。
25℃未満でも上記の物質のいずれかが規定の数値以上あれば「温泉」。
温度の条件か、19項目の物質の条件のどちらかが満たせば「温泉」となる。
また、別の言い方をすれば、地中から湧出する温水が25℃以上であれば、上記物質が入っていなくても「温泉」となるのだ。

何か、納得のいかないような部分があるが、これが「温泉法」なのだ。

放射能泉ってカラダにいいの?

2009 年 9 月 14 日 月曜日
「放射能泉」ってカラダにいいの?・・・これって、私の周りでもよく聞かれる質問だ。

放射能っていう言葉自体、あまりいいイメージはない。ところが、これがあのキュリー夫人らによる放射能研究以来、温泉についても見直されてきたのだ。

まず、「放射能泉」の定義だが、1㎏中、ラドン(Rn)が30(100億分の1キュリー単位)以上(3ナノキュリー)とされている。そして、色が付いているわけでもなく、香りがするのでもなく、実際見た目ではよく分からない温泉。ところが、この放射能泉が非常にカラダにいいとされる考え方が最近主流となっている。

それは「ホルミシス効果」と呼び、「少量の放射能を浴びる、または吸入することは、身体の抵抗力を増し、逆にプラス効果をもたらす」との考え方。

実際、日本有数の放射能泉の温泉地としてよく紹介される、鳥取の三朝(みささ)温泉は、空気中に漂うラドンが、近隣のエリアから比較すると2倍以上もある。

そして1992年に、ある研究家は、「三朝温泉の住民は、ガンの死亡率が、日本の平均からすると著しく低い」と発表した。今後も研究が続けられる課題だが、非常に興味深い話ではある。

放射能泉(ラジウム泉)は、地下深い岩盤の奥から長い年月をかけて、地表に出てきたものが多い。だから、比較的低温の温泉が多いのも特徴。

藍の宿 木屋旅館(鳥取・三朝温泉)  貸切ラジウム風呂「楽泉の湯」

藍の宿 木屋旅館(鳥取・三朝温泉)  貸切ラジウム風呂「楽泉の湯」

ところが、三朝温泉は、50℃以上の高温で、しかも湯量が豊富ということで、最近さらに注目されるようになった。

その街の中心の温泉本通りに佇む「藍の宿 木屋旅館」は、日本のみならず、海外のお客が多い事でも知られている老舗旅館。その宿のシンボル的お風呂は「楽泉の湯」。湯舟の底が源泉で、ダイレクトに地球の恵みをいただける、希少価値の高い貸切風呂なのだ。もちろん、飲泉もできる。

その他、家族湯、貸切蒸し湯、そして温泉熱を利用したオンドルもあり、バラエティに富んでいる。明治、大正、昭和の時代に造られた趣きある客室もいい。湯治用のリーズナブルな客室もあり、最近若い女性客も増えているという。

藍の宿 木屋旅館/鳥取・三朝温泉