「放射能泉」ってカラダにいいの?・・・これって、私の周りでもよく聞かれる質問だ。放射能っていう言葉自体、あまりいいイメージはない。ところが、これがあのキュリー夫人らによる放射能研究以来、温泉についても見直されてきたのだ。
まず、「放射能泉」の定義だが、1㎏中、ラドン(Rn)が30(100億分の1キュリー単位)以上(3ナノキュリー)とされている。そして、色が付いているわけでもなく、香りがするのでもなく、実際見た目ではよく分からない温泉。ところが、この放射能泉が非常にカラダにいいとされる考え方が最近主流となっている。
それは「ホルミシス効果」と呼び、「少量の放射能を浴びる、または吸入することは、身体の抵抗力を増し、逆にプラス効果をもたらす」との考え方。
実際、日本有数の放射能泉の温泉地としてよく紹介される、鳥取の三朝(みささ)温泉は、空気中に漂うラドンが、近隣のエリアから比較すると2倍以上もある。
そして1992年に、ある研究家は、「三朝温泉の住民は、ガンの死亡率が、日本の平均からすると著しく低い」と発表した。今後も研究が続けられる課題だが、非常に興味深い話ではある。
放射能泉(ラジウム泉)は、地下深い岩盤の奥から長い年月をかけて、地表に出てきたものが多い。だから、比較的低温の温泉が多いのも特徴。
ところが、三朝温泉は、50℃以上の高温で、しかも湯量が豊富ということで、最近さらに注目されるようになった。
その街の中心の温泉本通りに佇む「藍の宿 木屋旅館」は、日本のみならず、海外のお客が多い事でも知られている老舗旅館。その宿のシンボル的お風呂は「楽泉の湯」。湯舟の底が源泉で、ダイレクトに地球の恵みをいただける、希少価値の高い貸切風呂なのだ。もちろん、飲泉もできる。
その他、家族湯、貸切蒸し湯、そして温泉熱を利用したオンドルもあり、バラエティに富んでいる。明治、大正、昭和の時代に造られた趣きある客室もいい。湯治用のリーズナブルな客室もあり、最近若い女性客も増えているという。
■藍の宿 木屋旅館/鳥取・三朝温泉