今、トヨタ・プリウスはじめ、ハイブリッド・カー全盛の時代。
1997年に量産型のプリウスが発売されて、15年も経過した。
一部自動車評論家からは、ガソリン自動車から、電気自動車の時代へ移行する間のつなぎ役的な扱いを受けていたが、電気自動車の満充電時での走行距離の限界もあり、未だにエコカーの代表車種である。
「ハイブリッド」の意味は、2つの異質なものを、同じ目的のために組み合わせる事。
クルマの場合は、ガソリンエンジンと電気モーターという、異質の駆動システムを組み合わせた。
それにインスパイアされて、私が考え出したのが「ハイブリッド予約」。
私の専門分野である、温泉宿の集客システムのためのネーミングだ。
通常の一泊二日の宿泊プランと、宿に数時間滞在する日帰りプランの組み合わせを提案したものだ。
実は、これを考え出したのはもう3年前の2009年になる。
その頃はリーマンショックもあり、観光業界にも陰りが見え始めた頃だった。
ある温泉地で、会社を終えて、それから温泉宿に泊まりに行こうとする、レイトチェックインの宿泊が話題になっていた。
それと同時に、宿泊客が減っている宿や、新規顧客獲得のために日帰りプランを打ち出すところも増えてきた。
しかし、どれも私にとってはインパクトに欠けていた。
私は温泉宿のホームページの作成を依頼された場合、デザインやレイアウトだけでなく、宿全体に関わるシステムやサービスを新たに提案するのがモットー。
そこで、宿泊プランと日帰りプランを組み合わせる事を思いつく。
15時チェックイン、翌朝11時チェックアウトの宿があったとする。
その宿に、12時~17時の5時間の日帰りプランがあったとする。
そこで、15時~翌朝11時の宿泊プランと、12時~17時の日帰りプランを組み合わせると、レイトチェックアウトの滞在プランが誕生する。
または、逆に11時~15時の日帰りプランがある宿であれば、その後に、通常の宿泊プランと組み合わせれば、新型のアーリーチェックインの滞在プランが生まれる。
つまりは、宿泊と日帰りという、異質なものを組み合わせる事によって、15時チェックインの宿泊スタイルなど、今までの温泉宿の決まりきった利用方法に風穴を開けたかったのだ。
もっとフレキシブルに、温泉宿を利用しようとのプレゼンテーションだと思っていただければいい。
根底には、私の持論である「温泉宿に泊まるのは二泊三日」という考え方がある。
一泊二日では、ただ移動して、泊まるだけ。
翌日には、朝早く荷造りをして、次に移動。
これでは、疲れるだけ。
二泊すれば、二日目の昼間が「特典」として客にプレゼントされる。
要するに、チェックアウトすべき時間と、次のチェックインまでの時間が、連泊客には特典になるのだ。
この時間を使って、ゆったり温泉に浸かるにもいいし、宿周辺の散策もいいし、昼寝をするのもいい。
いずれにしても、カラダも宿の環境に慣れ、疲れも取れるのだ。
しかし、なかなかそんなに連泊ができないのも現実。
だとすれば、その短い時間、限られた時間の間で、温泉宿を満喫していただきたいという考えがあって、この「ハイブリッド予約」を考えたわけだ。
冒頭に2009年に考えたと書いた。
自分自身、最近すっかり「ハイブリッド予約」の事を忘れていた。
思い出させてくれたのは、由布院の「草庵秋桜」の太田専務。
先日、宿を訪ねたら、この「ハイブリッド予約」のシステムを紹介するため、ある会で講演を行ったら、大絶賛だったとの事。
ならばと思い、新たにこのブログで紹介させていただいた。
このシステムを採用していただいたのは、3軒の宿。
うち、2軒は今でも販売している。
問題点を言えば、PR不足は否めない。
もう少し、時間が必要なようだが、徐々に浸透しつつある。
是非、このシステムのある温泉宿を利用してみてほしい。
新しい温泉宿の顔、そして魅力が発見できるはず。
この2軒の宿のホームページは、もちろん、私がプロデュースしたものです。
■長野県・横谷峡温泉「たてしな藍」のハイブリッド予約
http://www.tateshina-ai.co.jp/hybrid.html
■大分県・由布院温泉「草庵秋桜」のハイブリッド予約
http://www.yufuin-kosumosu.jp/hybrid/