人が旅行する際、多くの場合、ある目的が存在する。
それがあって、人はお金と時間を使って移動する。
ホテル、旅館などの宿泊施設側からすれば、自らの施設のスペックが高く、人気もあるならば問題ないが、やはり周辺の観光資源の人気度によって、集客力が違ってくる。
ここでいう観光資源とは、一般的に、自然、温泉、食べ物、名所、史跡、そしてそれを生かしたツアーなどを指す。
私が全国を歩いていると、それがワンパターンの見せ方しかしていないところが多いのは確かだ。
冬が近づけば、カニが美味い。
春には新鮮な山菜を食べに来て。
夏は避暑を兼ねて高原へ。
秋は燃えるような紅葉はどうですか。
このように、いわゆる分かりやすい、直接的なアプローチがほとんど。
大都市部の駅頭に並ぶ旅行パンフレットはそればっかり。
しかし、たまに、思わず行きたくなるアプローチをしてくるパンフレットやホームページを見つける事がある。
それは、私の趣味というか、興味を持っている分野だったから。
何を言いたいかと言うと、マーケティングの世界では当たり前となっている、マスのアプローチが旅行の世界でも通用しなくなっているという事。
ニッチでマクロな世界を、効率的に対象ターゲットに伝えられるかにかかっているという事。
自然を見せたいのであれば、この時期、この瞬間しか見られないという希少性を訴える。
温泉は肌にいいとばかり言うのではなく、科学的にも、精神衛生的にもストレス解消、未病対策にもいい事を、データとともに解説する。
食べ物は、その地域でどうして生まれたか、ストーリーを紹介し、ここでしか味わえないという飢餓感を訴える。
戦国武将の史跡などがあれば、地元に伝わるエピソードなどを列記し、直に見たいと思わせる仕掛けを考える。
つまり、日本には、考えようによっては、観光資源の宝庫なのである。
世界的にみても、これだけ交通インフラが整い、治安がいい安全な国は、なかなかない。
例えて言うなら、素人っぽいタレントが、あるプロデューサーにかかると、その手腕で、国民的アイドルに仕立てあげる事ができる時代。
演出力、プロデュース力が、観光業界でも、とても重要だという事。
都会の人間は、田舎に遊びに行くのが楽しい。
地方の人間は、都会に遊びに行くのが楽しい。
それは、自分にないものを、相手に求めるが如く。
男が女に、女が男に惹かれるが如く。
観光資源のプロデュースは、アイディア次第で、可能性も無限大で、これから熱い!
それは確実!