それは、12月22日のテレビのニュースで知った。
今年、日本を訪れた外国人の旅行者数が、12月19日で、1,900万人を突破したという。
2013年2月以降、先月まで34か月連続でその月の最高記録を更新していて、3年前より1,000万人以上増えたことになる。
国交省は、ビザの緩和や免税制度の拡充などの取り組みが功を奏したとみているらしいが、もちろんそれだけではない。
国内の宿泊施設も、新しいマーケットを求めて、充分に努力した結果が実を結んだ。
もうひとつ驚くべきことは、出国した日本人の数(アウトバウンド)は45年ぶりに訪日外国人(インバウンド)の数を下回ることが確実になったという。
45年前といえば、1970年の大阪万博があった年。
実にそれ以来の、インバウンドがアウトバウンドを逆転したことになる。
観光庁が発表している統計(2014年度)を見れば、日本はインバウンド受入数で、世界22位。
アジアの中でも、7位だった。
しかし、日本は、歴史・文化が豊富な事、治安がいい事、交通インフラが整っている事、ゴールデンルートだけでなく、各地方に自然や観光名所などが数多く点在している事・・・などを考慮すれば、フランス、アメリカなどの観光大国以上に魅力的であると思う。
アジアで7位というのは、あまりにも今までが低すぎた。
これからは、インバウンド年間2,000万人どころか、5,000万人も夢ではなくなったような気もする。
今まで、日本人の富裕層をはじめとした顧客を持っている国内の宿泊施設は、日本人だけ見ていればよかった。
しかし、日本人は休前日や、連休などに集中する短期型の休暇を求める傾向にある。
それでは、なかなか平日の客室稼働率も上がらず、繁忙期と閑散期という概念も生まれた。
それが、海外の顧客を獲得できれば、日本と休暇のスケジュールも違い、閑散期もなくなる事もあるだろう。
インバウンド客にとっては、日本を訪れる事は、海外旅行であり、平日休日関係なく、数か月前に予約が入るという点も、国内の宿泊施設にとってはメリットだ。
すでに、リピーター化しているインバウンド客は多い。
これも、観光庁のアンケート資料から見ると、「もう一度日本に来たい」と思っている旅行者が7~9割もいる。
その中で、「体験したい事」を聞けば、「日本食を食べたい」「温泉に入りたい」「日本の文化・風習に触れたい」などが上位を占める。
・・・これって、「旅館」に泊まれば全部体験できること!
日本は、都市部と地方との格差が問題視されて久しい。
しかし、観光という産業が、これから地方が生き残る最良の道と思えてならない。
「ここには何もないよ」と、自虐的に語っていた日本の地方に住む人たちの言葉は、海外からの旅行者にとっては、
「こんな自然が残っているって素晴らしい!」・・・と見えるのである。
漫画、アニメなどを代表とするサブカルチャーも、世界をリードしている日本。
ある歌の歌詞にもあったが、ニッポンの未来は世界も羨む・・・のである。