宿泊施設の生き残り策

業界紙(誌)やネットの関連サイトを見ると、経営セミナー、Webセミナー、インバウンドセミナーなど、セミナー告知が多いな~と改めて思う。
ある旅館の経営者から聞いた。
「ここ数年、一通りセミナーを受講して、色々と改革している。でも、驚くほどの効果は上げていない。」とか、
「社員に受講させ、それを実施しているが、効果は長い目で待つ。」とか、
「数字などデータをまとめて、経営の“見える化”、課題の“見える化”は成功したが・・・」とか、様々だ。

今は、インバウンド特需を享受している宿泊施設は多いが、こればっかり頼っているのも、心もとない。
昨年、日本一の集客力を誇った箱根温泉郷でも、大涌谷の噴火があって観光客が激減したように、自然災害が、いつ何時、何処に起きるか分からないし・・・。

ある経営コンサルタントは言う。
「起業しても10年以内に95%が廃業する」
「30年なら99%消滅」
・・・とか、恐ろしい事を言う。

立場は違うが、私の経営するひとつの会社も、もうすぐ31年目を迎える。
振り返れば、大学生の時から、社会人にならず、そのまま起業したわけだから、無鉄砲だったな・・・と振り返る(汗)。
当時は、領収書も請求書の書き方も、よく分からなかったような気がする(苦笑)。

でも、考えてみれば、なぜ、会社が続けられたかという理由を探すと、「師匠がいなかった」事のような気がする。
要するに、ビジネスの方法を教えてくれる会社や、先輩に頼らず、自己流でやっていったという事。

それはそれで、失敗の連続で、当時は大変だったが、若さのせいか、それも今振り返れば楽しかったような気もする。
当時、出ていた自己啓発本らしきものは、読んでいたような記憶もあるが、大事なものは、他社にない「オリジナリティ」があれば、生き残れるという事を学んだ。

ライバルの大きな会社が、右を向けば、私は左を選択した。
真逆こそが、我が道なりと信じて。

そうすると、それが面白い、使ってみようか・・・という会社が現れる。
そして、成果を出して見せる。

そんな繰り返しだったような気がする。
そして今、思うのは、宿泊施設の経営者の方々に言いたいのは、セミナーを受講して、それをどのように消化するかという事。
同じテキストで、何百、何千の受講者に教えるのだから、そのまま実行したら、どこも同じビジネスモデルとなってしまう。
金太郎飴の如く、何処も同じような施設になってしまうという事なのだ。

私の知っている、超がつくほどの繁盛旅館は、まさに「オリジナリティ」の宝庫。
まさに、我が意を得たり。

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