最近、私のブログを見て、取材を申し込んできた著名な経済誌があった。
彼らが聞きたかった内容は、最近の宿泊施設と、予約サイトの関係。
そして、最近話題の予約サイト、または宿泊料金比較サイトの存在。
今更ながらと思うが、宿泊施設は、お客が直接予約をしてくれたほうが、利益が出る。
予約サイトを経由した宿泊予約は、手数料が発生するからだ。
宿泊予約サイトは、集客力があるから、無視できないという考え方がある。
それに対して、私は否定しないが、全面的に肯定はできない。
理由は、このブログで、何度も書いているが、予約サイトは「宿泊施設名」でリスティング(検索連動)広告を出しているから。
「○○旅館の予約は、××ネットへ」というような広告。
最初から、予約サイトのTOPページからスタートして、最終的に宿泊施設を探し出し、予約すれば、約10%と言われる手数料が発生する。
それはいい。
しかし、テレビやガイドブックなどを通じて宿泊施設名を知り、ネットで検索すると、まずは公式HPを閲覧する。
いざ、予約をしようとすると、リスティング広告から、予約サイトを経由してしまう事態が発生する。
それが、宿泊施設自体の財務状況を悪化させている。
予約サイトは、宿泊施設から集金している手数料を原資に、リスティング広告を堂々と出している。
考えてみれば、おかしな話。
私は、客室数50室前後の、人気の温泉旅館を予約した。
その予約は、公式HPからのネット予約。
少しでも、手数料を払わないようにと、私なりの心遣い。
しかし、その宿で、チェックインした際、ふと疑問を感じた。
その宿は、カード払いができる。
直接予約でも、もちろんOKだが、予約サイト経由でも大丈夫だという。
この宿の社長のインタビュー記事を、以前読んだことがあった。
今は、直接予約を増やすべき時代。
ネット全盛の時代だからこそ、予約サイトへ支払う手数料を少しでも減らすべき。・・・と。
予約サイト経由(約10%)で、しかもカード払い(約3%)だと、宿泊施設は合計約13%を負担しなければならない。
私は、直接予約のカード払いだから、宿泊施設は3%の負担だけでいい。
しかし、直接予約の私のメリットは、カード会社のポイントが付くだけ。
予約サイト経由だと、予約サイトのポイントとカード会社のポイントといった、ポイントの二重取りができるのだ。
その宿の公式HPを見ても、直接予約の特典も何もない。
これでは、直接予約が増えるはずもない。
予約サイトは、様々な戦略を練ってビジネスを展開している。
宿泊施設も、頑張っているが、その宿のコンサルタント会社を、後日知ることができた。
そのコンサル会社の社長は、某大手旅行会社の出身。
宿泊施設は、パートナーを誤ると、戦略も机上の空論になってしまう。
現在は、インバウンド需要もあり、“黒船”と呼ばれる海外の予約サイトも次々と日本に上陸している。
わが世の春を謳歌していた国内の予約サイトも、今やうかうかとしていられない状況になってきた。
そんな時こそ、宿泊施設は、未来につながる戦略を考えてほしい。
その戦略は、“直接予約”が、キーワードになってくるのは間違いない。