2020年8月28日に突然の辞任発表をした安倍首相。
首相在職日数を歴代更新した直後だった。
安倍さんの政治テーマのひとつが、インバウンドを中心とした「観光立国」だった。
首相就任した2012年には、訪日客は836万人だったところ、東京オリンピックを翌年に控えた、昨年の2019年には3188万人にまで増えた。
2020年は、前年の記録を抜くことを誰もが信じていたところ、現在のコロナ禍。
インバウンドどころか、日本経済が沈没寸前と言う評論家もいる。
しかし、元々我がニッポンは、観光資源の宝庫。
歴史と文化はもちろん、交通インフラも申し分なく、何よりも世界でも一、二を争う治安のいい国として注目もされるようになった。
だからこそ、今回のコロナ禍はあまりにも痛かった。
まあ、これはニッポンだけでなく、世界規模の出来事だったわけだが・・・。
コロナ感染を防ぐ意味でも、政府並びに地方の自治体も、外出自粛を訴える事は当たり前になったが、それは旅行を控えてください・・・とのサインでもあった。
つまり、観光は控えましょう、旅行は少し我慢しましょうとの要請だった。
ところがこのままでは経済がまわらないという事で、7月下旬にGo To トラベルキャンペーンが始まったが、東京は除外され、賛否両論のスタートなったのは皆さんご存知の通り。
でも、観光業界、旅行業界に携わる方は、この機会を改めて自分自身を見つめ直すいい機会と捉え、様々なアイディアを出して、次の時代に備える準備をするところも増えてきた。
ピンチをチャンスに変える。
今はこれしかない。
「不要不急の外出は控えるように」・・・と、テレビや新聞やネットでも、このフレーズは今年何度も見た、聞いた。
しかし「不要不急」と言われても、旅は実際そうなのか?
こんな哲学的な意味を考える事もあった。
私は、ここ数年のインバウンドを起爆剤とした「観光立国」プランは、幕末のペリー来航による開国要求に続く、ある意味2回目の観光「開国」と見ていた。
いま、準備をしていれば、必ず再び「観光立国」は甦る。
そう信じて、私も微力ながら時間を費やしている。
それが、私のテーマでもある地方再生にも繋がる可能性があるからだ。