シミ予防の美肌の湯/生活習慣病の湯
「硫黄泉」とは、温泉水1㎏中に、総硫黄を2㎎以上含有するもの。
ちなみに「硫黄泉」の条件とされる「総硫黄(S)」2mg/kg以上とは、①硫化水素イオン(HS-)、②チオ硫酸イオン(S2O32-)、③遊離硫化水素(H2S)の合計のこと。
厳密に書くと、[硫化水素イオン×0.970 + チオ硫酸イオン×0.572 + 遊離硫化水素×0.941]の計算で、2mg/kg以上(平成26年改訂・鉱泉分析法指針2ページ参照)。
また「硫黄泉」は①硫化水素イオンと②チオ硫酸イオンが主体の「硫黄型」と、③遊離硫化水素が主体の「硫化水素型」の2つに分類される。分類の方法は、mol単位で計算し、①+②>③の場合は「硫黄型」。①+②<③の場合は「硫化水素型」となる。
pH値は、「硫黄型」の場合、中性~アルカリ性の傾向が強く、「硫化水素型」の場合、酸性の傾向が強い。
湯の色は「硫黄型」の場合、無色透明もしくはエメラルドグリーンに見える事がある。「硫化水素型」の湯の色は、白濁しているケースが多い。
硫黄泉は殺菌効果が高いので肌表面のトラブル全般に効く「皮膚病の湯」とされている。実際に、硫黄泉ならではの浴用の適応症は、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症などで、どれも皮膚の悩みに応えてくれるものである。
飲用で、耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症にもいいとされ、「生活習慣病の湯」や「メタボの湯」とも呼ばれる。硫化水素型については、末梢循環障害を加える。
硫黄泉は余分の皮脂を取り除くのでニキビが出やすい人、オイリースキンの方には相性がよく、シミの原因物質であるメラニンの生成を抑えるので「シミ予防の湯」とも呼ばれ、さらに美白効果も期待できる。
要するに硫黄泉は「美肌の湯」なのである。硫黄の還元作用は、老化の原因物質である活性酸素とも反応するため若返り効果も期待できるだろう。
「硫化水素型」に限って言えば、ぜんそくを和らげる効果や、痰のキレをよくすることから「痰の湯」と呼ばれる事もある。
「硫黄泉」は「酸性泉」と同じく、刺激が強い泉質なので、病弱者、高齢者、肌の弱い人には注意が必要で、「湯あたり」しやすいと言える。浴用の泉質別禁忌症としては、皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症(※酸性泉と同じ)。
気を付けなければならないのは、指輪やネックレスの金属類は硫黄成分による変色があるので、入浴の際は必ず外すことを覚えていてほしい。
・・・「温泉検索どっとこむ」より