2008年9月のリーマンショック以降、日本経済も不況からなかなか立ち上がれない。
あらゆる産業、業種が業績を下げるなか、旅行業界もご多分に漏れず低空飛行。
その影響からか、最近、私のところにも、温泉旅館の公式HPの作成依頼が多くなった。
でも、デザインだけ変えても、あまりお客は増えてこない。
宿の魅力うんぬんよりも、実際に旅行をしようと考えている人が大幅に減ったからだ。
それでも何か手を打とうとして、一番手っ取り早く、宿泊料金を値下げしても、一時的な集客は図れるが、中長期的には旅館自身の財務環境を悪化させるだけ。
当然ながらブランディングにも良くない。
だからこそ、最近私は、公式HPのリニューアルを受けた場合、宿泊プランや、サービスの改善まで提案するようにしている。
新しい販売促進の方策や、システムを入れないと、この不況を乗り越えられないと思っているからだ。
例えば、チェックイン15時、チェックアウト翌朝10時の、いわゆる1泊2食のスタイルが、今の時代にそぐわなくなってしまったのかもしれない。
また、休前日は客室数の数倍ほどの予約申込みがあって満室になるのに、平日はいつも閑古鳥が鳴いている。
でも、「じゃらん」や、いくつかの旅館のHPを見ても、目新しい斬新な宿泊プランが見つからない。
これでは、やはり苦しい。
箱根など大都市圏に近いところは別にして、ほとんどの温泉地の平日の人通りはガラガラの状態。
だったら・・・・・それを逆に売りこめばいい。
「人がいない」→「うら寂しい」→「都会の喧騒から逃れる」→「自分を見つめ直す」
こういった逆の発想が大事かもしれない。
露天風呂や客室などのハード面の紹介だけでなく、ココロに訴えかけるものが欲しいのだ。
思えば、最近の宿のHPは、Flashなどが多用され、いわば画像に頼り切っているところがある。もう少し、情報が欲しいところをイメージ画像で代用しているのがほとんど。
画像の加工技術が進んだせいで、実際の建物よりキレイにHPに載っているのが多すぎるのも、問題だと思う。
これからは、原点回帰。今後テキストの重要性が増してくるような気がする。
いかにHP閲覧者に文章の力で惹きつけられるか、が重要となってくるのだ。
それは、結果的にSEO効果も促すこともになる。
「新しいシステムの提案」+「ココロを動かすテキスト」・・・これが、2010年版・温泉コム制作の旅館HPのテーマにしようと思っている。