温泉旅行に行こうと決めた時、あなたは何を頼りに「宿選び」をしますか?
現代は、インターネット全盛の時代。
2000年以前は、ガイドブックなど書籍関連からの情報収集が主だったものが、ここ10年は、ネットがその主流となっている。
予約サイトも成熟期を迎え、幅広く宿をラインナップするものから、高級路線の宿だけを集めたもの、逆に大幅値引きを売り物にしているサイトも存在している。
それはいわゆる「宿泊プラン」というものをリリースして、消費者に分かりやすく訴えようとしている。
特典を付けたり、値引きをしてお得感を出してアピールするのだ。
そして、消費者は、「宿選び」から、「宿泊プラン選び」になってしまっている事に気付かない?
まあ、これは極論だが、この時世、宿の「格」や「質」で選ぶより、いかにお得に泊まれるかの「バリュー感」で宿選びをしてしまっている場合が多くなってきたと思う。
ビジネスホテルを予約するのと同じように、温泉宿を予約する傾向が感じられるのだ。
宿側もそれに倣い、営業会議を開いては「宿泊プラン」を考えるのだ。
しかし、それってどうなんだろう?
ふと疑問に思ってしまった。
私は個人的な話をすれば、30代前半までは、書籍関連で宿探しをしていた(ネットがなかったので)。
その頃は温泉評論家や温泉ライターの記事を参考に宿探しをしていたように思う。
そして私が30代後半にネットの時代が訪れ、膨大な情報が即座に受け取れるようになった。
その頃(2000年)に「貸切温泉どっとこむ」もスタートした。
予約サイトのいいところは、料金や、エリアなどで条件別検索ができるところ。
ハード情報も、クチコミ情報もあるので、ある程度目安にしやすい。
しかし、そこになぜか「血の通っていない」冷たさを感じるのは私だけであろうか。
宿の説明文を書いているのも、おおよそ宿の経営者か、営業担当者、もしくはサイト管理者側が、公式HPからコピーを拾うような形で、文章を羅列する。
温泉評論家の書いていた叙情的、もしくは専門的なコメントはそこにはない。
でも、ネット全盛の時代になって、彼ら評論家、ライターを生業としている人たちの書いた記事が「情報量の少なさ」を露呈する事にもなってしまった。
温泉や歴史、文化には詳しいけど、客室のインテリアや料理は語れず、またはマーケティングにはまったく知識がない。・・・とか。
実際、彼らの書く温泉ガイドは、それほどの売り上げを記録していない。
逆に、自分たちの宿を取り上げられたことで、宿側が強制的に(?)仕入れる事になり困っているという話もよく聞く。
そのどちらのいいところをカバーしようとして、私は2007年から「貸切温泉どっとこむ」を、一軒ごと地道に記事を改訂している。
自分でいうのもなんだが、温泉、歴史、文化から、宿泊プラン、そして経営者のエピソードまで網羅している、どこにもない、稀有な存在のサイトなのだ。
しかもネットだから、無料で、いつでも見られる。
宿がリニューアルしたら、すぐに記事を書き改める事ができる。
しかし、その膨大な情報をまとめるのは、いかに大変なことかと改めて実感している。
そして、正直言えば、半分後悔もしている。
この努力が、皆さんに少しでも伝わればいいなと思っているのも確か。
それは温泉LOVE、温泉宿LOVEだからできる事。
こんな、コスト度外視で作っているサイトはどこにもないと自慢(?)できる。
そんな事をどこか心に留めていただき、これからも「貸切温泉どっとこむ」にお付き合い願えればこの上ない幸せなのです。
アナログとデジタルの融合したサイト、それが「貸切温泉どっとこむ」。
ぜひ、「宿選び」の参考資料にしていただきたい。
なにしろ、改訂した記事は、一軒の宿だけで一冊の本が作れるほどの「大容量」なのだから・・・。
■「貸切温泉どっとこむ」http://www.kashikiri-onsen.com/