ここ数年、戦国時代がブームと言われている。
きっかけは、色々あると思う。
NHK大河ドラマでも、女性に人気のいわゆるイケメンを主役に起用したり、それに便乗して、ゲームやアニメなどで、相当な脚色をしてキャラクター化するなどして、幅広い層に親しみやすい環境になっているのは確かだ。
歴史に興味を持つ入口とすれば、少し違和感を持つ方もいるだろうが、それでも私は、それはそれでいいと思っている。
今までは、一般的にどちらかと言えば女性は歴史が苦手と言われていたのが、逆に歴史にロマンを感じる女性が増え、「歴女」と言葉も誕生した。
実際、私も全国の温泉宿を旅している中、「歴女」と呼ばれるような女性グループにも見かけるようになった。
彼女らには、さらに「戦国派」と「幕末派」と専門分野が分かれる場合もあると聞くが、それはさておき、温泉、料理、そして骨休め的な目的で旅行をするだけでなく、その地方にゆかりのある史跡をめぐる事が第一の目的としている方たちである。
古い宿の一角には、図書室とか、ライブラリーと称する、蔵書のコーナーがある場合が多い。
そこにはオーナーの趣味で集めた本が数多くあって、もうひとつの宿の顔と言われる部分でもある。
そんな中に、その地方の歴史に関する書籍が混じっている事がある。
歴史研究家とは、何も大学にいる先生だけではない。
地方には、郷土史家やアマチュアながら地元の歴史を本に書いている方も多い。
一般の本屋さんでは見かけない、ディープな歴史本が見つかる事もあるのだ。
考えてみれば、吉川英治、新田次郎、司馬遼太郎・・・など著名な歴史小説家たちも、取材の一環として、主役の生誕地、ゆかりの土地に出向いているはずだ。
資料として書籍類だけを集めても、立体的に情報が入ってこないからだ。
最近では、お城めぐりも人気だという。
当時の戦国武将の威容の一部分を見られることもあり、改めて観光資産としても見直されている。
私としては、石垣や、石段しか残っていない、いわゆる城跡に郷愁を感じる。
兵どもが夢の跡・・・ではないが、妄想家の私としては、充分に楽しめる場所なのである(笑)。
そうなのである。
地方には、昔から現代まで生き残った史跡がたくさんあるのだ。
坂本龍馬が暗殺された京都・近江屋の跡地が、現在コンビニになっているのは、都会であるから仕方のない事なのだ。
歴史を好きな人は、同じように歴史に造詣の深い人と話をするのも好きなもの。
宿のホームページに、その土地ゆかりの歴史が書かれているとすれば、その宿のオーナーは相当な歴史マニアの場合が多い。
そんな宿の探し方も、あってもいいと思う。